年間第28主日(B年)
マルコ10:17-27
今日の福音書を読んで前に観たアメリカの映画「スパイダーマン」のシナリオを思い出しました。超能力者に目覚めた主演者がその力を何のために使えば悩んでいる時に、スーパーヒーローになるように導く言葉、それは「大きな力が、大きな責任を伴う。」
今日の福音書ではあるお金持ちの人がイエスのいる所に来て尋ねる。「永遠の命を受け継ぐには、何をすれば良いでしょうか。」イエスは言われた。「『殺すな、姦淫するな、盗むな、偽証するな、奪い取るな、父母を敬え』という掟に従うように。」これはモーセが神からいただいた十戒に含まれている、どんなイスラエル人にも定められた掟である。
その人は「それを全部、子供の頃から守ってきた。」ここまで彼はヒーローだと思います。ヒーローが誰でも出来ると思われる事以上をする。やるべき事を成し遂げるのは普通でありながら誰でも出来ることではない。だからイエスは彼を見つめ、慈しんで言われた「あなたに欠けているものが一つある。行って持っている物を売り払い、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に富を積むことになる。それから私に従いなさい」。イエスが彼に言っているのは「大きな力が大きな責任を伴う。」その方は神の似姿に造られた者で、神の愛を注がれています、超能力者です。愛の力を正しく使う責任があります。自分の為だけではなく、その力をお金という形で人々を助ける為に使うように、イエスが導いています。スーパーヒーローになるか、ならないのか、自分の選択です。
私達も皆、超能力者である。愛することが出来る神業、そんな「大きな力が、大きな責任を伴う」スーパーヒーローのように人々を助けるために使うか、悪役のように自分のために使うか、自分次第です。
いつも正しい選択ができるように、イエスが最後に言うのは「私に従いなさい。」
滋賀ブロック担当司祭